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東海道本線→御殿場線 松田駅


<主な変遷>
1889(明22)年2月 官設鉄道(→1909(明42)年10月 東海道本線と命名)国府津-静岡間開通、松田駅開設
1934(昭9)年12月 東海道本線→御殿場線

1931 (昭6) 年 7月

<基本情報>
 貨物営業   あり
 閉そく方式  閉塞器式
 電気運転設備 非電化
  •   [D] 『業務研究資料』第21巻第17号.1933年6月.鉄道大臣官房研究所.12頁に掲載の配線略図です。
  •  当時は東海道本線の駅で、上記資料では特急「燕」の運転に際して駅構内通過速度を75km/h以下に制限しても分岐器部における車両の動揺や音響が甚だしいため新設計の分岐器を製作の上、試験を行ったことが記録されています。松田駅では曲線内方分岐器の試験が行われ、図では上り線の東京方に「試験分岐器」の表記が確認できます。
  •  神戸方には酒匂川の河原に向かって砂利線が延びています。

1959 (昭34) 年 2月

<基本情報の変更>
 閉そく方式  通票閉そく式
  •  小田急線との直通運転を行うため、連絡線が設けられました。小田急と国鉄の分界は連絡線場内信号機の位置で、小田急所属の信号機は図に記載されていません。
  •  連絡線から進入する列車・連絡線へ進出する列車は、いずれも上り本線着発です。
  •  この時点で御殿場線は通票閉そく式、小田急線は自動閉そく式であり、双方を繋ぐ連絡線は連動閉そく式だった旨、『信号保安』に記述があります。上り本線の連絡線出発信号機7は腕木の柱寄りを黒く塗り潰した記号で、これは保留の信号機を表します。
   参考 「鉄道ニュース 小田急線と御殿場線との直通運転」『信号保安』1955年10月号.337
  
  10月1日小田急電鉄から国鉄御殿場線に乗入れ運転が実施された。この運転は電化区間より非電化区間への直通運転のため
 気動車によることは勿論であるが、小田急線と御殿場線とは現在松田において直角に立体交叉しているため、小田急線と国鉄
 松田駅との連絡は直角三角形の斜辺の形で線路が新設され、短区間ながら連動閉そく式として使用開始された。ただ小田急線
 は自動閉そく式で国鉄線は非自動区間のため、国鉄松田駅の小田急方出発信号機は自動復帰器付の保留現示機械信号機とした。
  -後略-

  •  1960(昭35)年当時の「専用線一覧」には砂利線に接続する松田石産(有限)の専用線が掲載されており、図で「永山専用線」と表記されている専用線がこれに当たるのかと思います(1953(昭28)年の「専用線一覧」では砂利線に接続する専用線として永山栄一名義の専用線があり、松田石産(有限)の専用線はその後身と思われる)。
  •  沼津方の本屋のほか、国府津方の小田急新松田駅の向かいに南口が設けられています。ただし、南口からの地下道は下りホームだけに通じているので、上りホームへは沼津方のこ線橋を経由する必要があります。

1969 (昭44) 年 3月


<基本情報の変更>

 閉そく方式  連査閉そく式
 電気運転設備 直流 1,500V
  •  連絡線場内信号機 5Rの下に、新松田駅の連絡線上り場内信号機も描かれています。
  •  1970(昭45)年の「専用線一覧」には松田石産(有限)に加えて二葉建設(株)の専用線も存在することになっていますが、図では分かりません。その後、1975(昭50)年版では松田石産(有限)の専用線はなくなり、二葉建設(株)のみとなっています。
  •  1968(昭43)年10月1日時点では上り普通列車のうち6:29着の848Mだけが中線着発でしたが、翌1969(昭44)年10月1日時点では3本(6:19着の848M~7:21着の626M)に増えています。小田急への乗換客が多い時間帯にこ線橋を渡ることなく南口を利用できるようにする措置かと思いますが、その後更に増えていって上り本線に着発する普通列車はなくなりました。

1976 (昭51) 年 4月

  •   引き続き砂利線の分岐が描かれていますが、この頃はまだ使われていたのでしょうか?
  •  下り2番線の貨物ホーム?は、2025(令7)年時点でも姿を留めていました。

Memo

 Ⅰ 連絡線の運転取扱い

 1970年代前半の静岡鉄道管理局の運転関係指導資料集に収録されている連絡線の運転取扱いに関する規程です。閉そくの取扱いは国鉄松田駅と小田急新松田駅との間で行います。

 
 松田、新松田間連絡線における列車運転取扱いについて


  小田急電鉄所属電車の御殿場線直通運転に伴い、別途小田急電鉄と直通列車に対する協定書を締結してあるので、次によることと
 されたい。

  松田、新松田間連絡線における直通列車の運転取扱方については、次のとおりとする。
 1. 国鉄松田、社新松田駅間の分界は、松田連絡線場内信号機の位置とする。
 2. 連絡線とは、松田連絡線場内信号機と新松田連絡線上り場内信号機との間をいう。
 3. 連絡線に対する列車保安方法は、次の条件を備えた装置とする。
  (1) 連絡線内に列車又は車両のあるとき、又は保安装置に故障を生じたとき、松田連絡線出発信号機と新松田連絡線下り場内信号
    機とは、停止信号を現示すること。
  (2) 松田連絡線出発信号機に進行信号を現示したときは、新松田連絡線下り場内信号機に、又新松田連絡線下り場内信号機に進行
    を指示する信号を現示したときは、松田連絡線出発信号機にいずれも進行を指示する信号を現示することのできないこと。
     この場合、列車を進出させる方向の出発信号機又は場内信号機に進行を指示する信号を現示させるためには、松田、新松田駅
    が協同して閉そくてこを取扱うものとする。
 4. 列車が連絡線内にあることを駅長又は信号掛に知らせるために、表示燈ににより表示する。
 5. 連絡線に対する閉そくてこは、松田駅に列車を進入させる位置にあるをその定位とする。
 6. 松田及び新松田駅長は、連絡線内に列車を出発又は通過させるときは、相手駅と電話により打合せたうえ、列車を進出させる方
   向に閉そくてこを転換する。
 7. 松田及び新松田駅長は、列車が連絡線内を通過し終ったとき、又は到着したときは、相手駅はその旨を通告した後閉そくてこを
   定位に復する。
 8. 閉そくてこを取り扱う場合の取扱方は次の各号による。
  (1) 列車を進出させる駅(甲駅という。)は、相手駅(乙駅という。)に対して「○○列車閉そく」と通告する。
  (2) 乙駅で前号に承認を与えるときは「○○列車閉そく通知」と応答する。 ※管理人追記・正しくは「○○列車閉そく承知」か?
  (3) 乙駅で列車が連絡線内を通過し終ったとき、又は到着したときは「○○列車到着」と通告する。
  (4) 前号の通知を受けた甲駅では「○○列車到着承知」と応答する。
 9. 連絡線内を運転する下り列車は、列車又は線路故障等のために退行するときは、新松田駅長の指示を受ける。
 10. 故障その他の事由により閉そくてこを使用することのできないとき又は松田連絡線出発信号機もしくは新松田連絡線下り場内信
   号機が故障となったときは次の各号の取扱いによる。
  (1) 連絡線内の列車の運転は操車掛(社の信号掛を含める。以下同じとする。)の誘導による。
  (2) 操車掛は、列車を進出させる駅の駅長が、相手駅の駅長と打合せのうえ定める。この場合、双方の駅長は操車掛の氏名を記録
    する。
  (3) 操車掛の指定は1名に限るものとする。
  (4) 松田駅長が列車を誘導するときは、駅長がその旨を運転士と車掌とに通告したうえ、なお、列車を進出させてもさしつかえな
    いことを確めた後、操車掛に対して誘導を開始する時期を指示する。
  (5) 新松田駅長が列車を誘導するときは、操車掛に指示して運転士と車掌とに列車を誘導する旨を通告させたうえ、なお、列車を
    進出させてもさしつかえないことを確めさせた後、誘導させる。
  (6) 操車掛の誘導する区域は、上り列車にあっては松田連絡線出発信号機と新松田連絡線上り場内信号機との間、下り列車にあっ
    ては、新松田連絡線下り場内信号機と松田連絡線場内信号機の間とする。
  (7) 松田連絡線場内信号機又は新松田連絡線下り場内信号機が故障の場合は、運転士に対して操車掛の誘導を受けなければ列車を
    運転させないものとする。
  (8) 前各号の取扱いをしたとき、松田駅長は鉄道管理局運転部長に、新松田駅長は、小田急電鉄運輸部長にそれぞれ報告する。


Ⅱ 1947 (昭22) 年の空中写真 -連絡線と酒匂川砂利線-

 小田急線との連絡線は、戦時中、省線が使用出来なくなった場合に小田急線をう回路として利用できるよう、新宿駅の連絡線とともに建設されたものですが、う回路として実際に使用する機会はなかったそうです *注
*注 [D] 土木学会 編『土木工学の概観』1950年12月.日本学術振興会.341頁


【出典】国土地理院webサイト「地図・空中写真閲覧サービス」https://service.gsi.go.jp/map-photos/
 整理番号:USA コース番号:R242-No1 写真番号:57 撮影年月日:1947/10/02 
 こちらは駅の西側から酒匂川に延びる砂利線の様子です。 

【出典】国土地理院webサイト「地図・空中写真閲覧サービス」https://service.gsi.go.jp/map-photos/
 整理番号:USA コース番号:R242-No1 写真番号:57 撮影年月日:1947/10/02  

Ⅲ 列車着発状況 -1956(昭31)年11月19日改正-

リンク先のファイルを参照してください。
 松田駅列車着発状況 1956(昭31)年11月19日改正